AMD Radeon RX 7000 series: The Desktop Lineup Speculation
22.11.b u/cyatarow

AMD Radeon RX 7000シリーズ デスクトップ向けラインナップ妄想
22.11.b(2022年11月 b版): 新情報こそないがレイアウトを大幅に書き換え、文章量もそこそこ増やした
発表済みモデル:
置き換え対象の
先代モデル
GPUコア Radeon CU バス幅 Infinity
Cache
VRAM TBP MSRP
(四捨五入)
性能から見た
適正価格(税込)※
競合GeForce
RX 6950 XT Navi 31 XTX RX 7900 XTX 96 384 96 24 355 1000 ??? RTX 4080
RX 6900 XT XT RX 7900 XT 84 320 80 20 300 900 ??? RTX 4070 Ti
(元4080 12GB)
ここまで発表済み

未発表モデル パターンA:
置き換え対象の
先代モデル
GPUコア Radeon CU バス幅 Infinity
Cache
VRAM TBP MSRP
(四捨五入)
性能から見た
適正価格(税込)※
競合GeForce
RX 6800 XT Navi 31 XL RX 7900 72~78 320 80 20 280 650 ??? RTX 4070 Ti
(元4080 12GB)
RX 6800 Navi 32 XT RX 7800 XT 60~64 256 64 16 250 500 ??? RTX 4070
RX 6750/6700 XT XL RX 7700 XT 52~56 192 48 12 200 480 ??? RTX 4060 Ti
RX 6700 XE RX 7700 44~48 192 48 12 175 400 ??? RTX 4060 Ti
RX 6650/6600 XT Navi 33 XT RX 7600 XT 32 128 32 8 150 340 ??? RTX 4060
RX 6600 XL RX 7600 24~28 128 32 8 125 280 ??? RTX 4050 Ti/無印
RX 6500 XT Navi ?? 詳細不明
RX 6400

未発表モデル パターンB:
置き換え対象の
先代モデル
GPUコア Radeon CU バス幅 Infinity
Cache
VRAM TBP MSRP
(四捨五入)
性能から見た
適正価格(税込)※
競合GeForce
RX 6800 XT Navi 32 XTX RX 7800 XT 60~64 256 64 16 250 650 ??? RTX 4070 Ti
(元4080 12GB)
RX 6800 XT RX 7800 52~56 256 64 16 220 550 ??? RTX 4070
RX 6750/6700 XT XL RX 7700 XT 44~52 192 48 12 190 450 ??? RTX 4060 Ti
RX 6700 XE RX 7700 40~48 192 48 12 160 400 ??? RTX 4060 Ti
RX 6650/6600 XT Navi 33 XT RX 7600 XT 32 128 32 8 140 340 ??? RTX 4060
RX 6600 XL RX 7600 24~28 128 32 8 120 280 ??? RTX 4050 Ti/無印
RX 6500 XT Navi ?? 詳細不明
RX 6400

※今回から1ドル=150円前後で換算(予定)。現在は具体的な性能がまだわからないので未記載。
競合GeForceについても、RTX 4070系以下のラインナップが全然わからないのでかなり雑な推定になる。

RX 7900 XTX & XT

北森瓦版の記事(各ニュースサイトへのリンクもこちらから)
日本時間11月4日の早朝5時、RDNA 3アーキテクチャを採用する新世代Radeon「RX 7000」シリーズが正式発表され、RX 7900 XTX・RX 7900 XTの2製品がお披露目となった。
一般消費者向けゲーミングGPUとしては世界初となるマルチチップ設計を採用。製造プロセスもGCD部分を5nm世代(TSMC N5)、MCD部分を7nm世代(TSMC N6)とすることでコストを安くしている。

ハードウェアスペックをRX 6000シリーズと比較すると、まずCU数が最大80基→96基に、VRAM容量は最大16GB→24GB、メモリバス幅は最大256bit→384bitに増えている。これにより、RX 6000シリーズで苦手だった4Kなど高解像度での性能改善が見込まれる。RX 6000シリーズの時は、Infinity Cacheを活用することで少ないバス幅でも性能を引き出そうという設計思想だったが、4Kでうまくいかなかったから反省したのだろうか?
レイアクセラレーターも第2世代に進化し、更に新たなコアとしてAIアクセラレーターが実装された。しかしAIアクセラレーターの用途は、まだAMD社内ですら決まっていない模様…
また興味深いことに、クロック周波数がシェーダー部とフロントエンド部で分離されており、これにより高速動作と省電力化を実現できるらしい。実はこれ、かつてNVIDIAもFermiアーキテクチャ(GTX 500シリーズ頃)まで採用していた手法である。
なおInfinity Cacheの容量は減っている(128MB→96MB)が、こちらも第2世代に進化したおかげかキャッシュヒット率が上がったので問題ないらしい。
メディアエンジン方面ではIntel Arc AシリーズやNVIDIA GeForce 40シリーズに続き、ついにRadeonでもAV1ハードウェアエンコードに対応することとなった。
更にスライド資料に「AI Enhanced Video Encode」という意味有りげな文言が書かれており、その詳細は発表会時点では明かされなかったが、これまで速度・画質面で不評だったハードウェアエンコード性能がついにテコ入れされるのか!?と個人的に期待している。

その他、TBPは最大355W、補助電源も8ピン×2本で据え置き、(リファレンスモデルだが)長さ287mmの2.5スロット厚にとどめており、発表会では「新しいケースを買ったり、電源を交換したりする必要はない」と強調されていた。どう見てもGeForce 40シリーズ(12VHPWRコネクタを使ってでも消費電力を激増させたり、あまりにもグラボが大きすぎて「弁当箱」と揶揄されたり…)に対する当てこすりである。
なおRadeonは2010~2011年のHD 6000シリーズ以来、一般消費者向け製品では8ピン×2本に収まる範囲の消費電力(8ピン1本で150W、それが2本で300W。そしてPCIeスロットで供給できる75Wを足して375W)を超えないようにしてきている。
ただしR9 295X2だけを除く。むしろ295X2は一体どうやって8ピン×2本だけで500Wを供給できていたんだ・・・???

肝心の競合相手だが、7900 XTXは後のインタビューでRTX 4090ではなくRTX 4080がライバルであると明かされている。
お披露目時に性能比較をしなかったのは、RTX 4090が直接の競合相手ではないのもそうだが、そもそもRTX 4080のベンチマークデータを入手できていないので比較しようがなかったようだ。
まあ、RTX 4080はまだ発売していないので仕方ない・・・

余談だが、「XTX」の名がGPUチップ名ではなく製品名として使われるのは、なんとRadeon X1900 XTX以来16年ぶりである。
とはいえ、名前が区別しにくいし言いにくいので、「7900 XTと7900(無印)にできなかったのか?」「なぜ数字の十の位や一の位を活用しないのか??」などと疑問が次々浮かんでしまう。もしや、Navi 31のフルスペックで動かないダイが十分溜まってきた頃に「7900(無印)」として売り出すのでは・・・?

それ以下のグレード

今回のAMDは柄にもなくガードが固く、RDNA 3の具体的なラインナップがほとんど見えてこなかったり、CU数などの大まかなスペックもころころ変わったりと、とにかくリーク情報に乏しく、ラインナップ予想がかなり難しくなっている。
今回のラインナップ妄想では冒頭の表を見てわかる通り、置き換え対象の先代モデルも意識しながら書くようにしているが、各チップのスペック情報が錯綜しているせいでどうしても難しくなる。

以下はRDNA 3の各チップについて、最大CU数に着目した噂の変遷である。上述の通り、内容が二転三転してしまっている。中には発信元のツイートや、果てはアカウントごと消した人まで・・・
また、当初は「CU」の概念がなくなって「WGP」に完全移行し(従来の2CU=1WGPで換算される)、1CUあたりのシェーダーコア数が64から128に増えると言われていたが、どちらも実現しなかった。しかし1CUあたりに発行できる命令が2倍になったので、実質128で計算している人もいる。
Navi 31 Navi 32 Navi 33
2021年1月 160 CU(80×2)
チップレット
? ?
2021年2月 40 CU×? or 80 CU×?
チップレット
? CU×?
チップレット
2021年7月 240 CU(120×2)
チップレット
? CU×2
チップレット
? CU
モノリシック
2021年8月 120 CU(60×2)
チップレット
80 CU(40×2)
チップレット
40 CU
モノリシック
2021年9月 32 CU
モノリシック
2022年5月 A 96 CU(48×2)
チップレット
64 CU(32×2)
チップレット
32 CU
モノリシック
2022年5月 B 96 CU(96×1)
チップレット
64 CU(64×1)
チップレット
2022年8月 96 CU(96×1)
チップレット
84CUの下位モデルもある
60 CU(60×1)
チップレット
32 CU
モノリシック

ここからは具体的なラインナップについて踏み込んだ妄想となる。なお具体的な製品名(RX 7800など)まで考えると複雑過ぎるので今回は深く考察しない。

RX 6800系後継

発表会では「800」番が発表されなかったこともあり、Navi 31とNavi 32のどちらを使うのかすらわからない。
パターンBだと、6800 XTと同規模のCU数(72)の製品がないということになってしまう。
7900 XTが84CUであるのに対し、Navi 32が最大60か64CUと言われており、CU数に大きな開きがある。
個人的にはその間を埋められるパターンAを推したいところだが、RX 6000シリーズでは本当に20CUの開きができていた(6800 無印と6750/6700 XT)ため、パターンBもありえなくないのが厄介だ。

RX 6700系後継

これはNavi 32で確定と思っていい。
6750/6700 XTは40CU、6700 無印は36CUだったが、6800系後継やNavi 33との上下関係を考えると、7000シリーズでは数が増えると思われる。
XTが48~56、無印が40~48CUくらいだろうか。
そもそもNavi 22が最大40CU、Navi 23が最大32CUとかなり差が小さかった(一応バス幅やVRAM容量などでも差があったので、性能はきちんと分かれていた)ため、これくらい増やしてもラインナップ的に問題はなさそうだ。

なお、Navi 33が当初最大40CUと言われていたため、これが6700系の後継になると噂されたこともあった。
しかし上から3番目のGPUチップなのと、後になって32CU説が有力視されるようになったため、6700系ではなく下記6600系の後継になったと思われる。

RX 6600系後継

Navi 33の最大CUが、6600系で使われたNavi 23と同じ32CUになったため、上記までと比べると若干わかりやすい。
6650/6600 XTは32CU、6600 無印が28CUだったが、XT・無印ともにCU数そのままに移行していくだろう。

RX 6500~6400系後継

エントリークラスであるRX 6500 XT~6400の後継製品に至っては全くと言っていいほど情報がなく、完全にお手上げ状態だ。
Navi 33より下の製品はRDNA 3ではなくRDNA 2の6nm版で代用するという噂もあったが、もう1年以上前の話な上に続報もないので、2022年11月の今となっては信憑性は低い。
かといってNavi 33の更に下位のRDNA 3採用チップ(Navi 34?)があるという情報もない。
そもそも6500 XT~6400に使われたNavi 24自体、本来はノートPC専用のチップにする予定だったのが、理由は不明ながら急遽デスクトップ向けへの投入も決まったことが示唆されている
おそらくAMDとしては、このようなエントリークラスの単体GPUをRX 6000シリーズの時点で切り捨てたかったのかもしれない。NVIDIAがRTX 30シリーズで実際にそうした(最下位モデルであるRTX 3050ですら、TGPは130W)のも影響している?
RX 7000シリーズでは、今度こそエントリークラスを切り捨てて、「500」番以下の製品の開発をきっぱりやめる可能性も・・・

しかし、希望はまだ潰えたわけではない!
注目すべきポイントとして、Intelがメモリ6GBでTBP 75Wなエントリーモデル(Arc A380)を投入していることが挙げられる。
AMDがその対抗に、Navi 33をさらにカットダウンしたモデルを投入する可能性に、個人的には賭けてみたい。(下表参照)
置き換え対象の
先代モデル
GPUコア Radeon CU バス幅 Infinity
Cache
VRAM TBP MSRP
(四捨五入)
性能から見た
適正価格(税込)※
競合GeForce
RX 6650/6600 XT Navi 33 XT RX 7600 XT 32 128 32 8 140 340 ??? RTX 4060
RX 6600 XL RX 7600 28 128 32 8 110 250 ??? RTX 4050 Ti/無印
RX 6500 XT XE RX 7500 20 96 24 6 75 170 ??? ???