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Radeon RX 6000シリーズ ラインナップ妄想 2021年11月23日版
u/cyatarow
更新内容: 11月21日版のアップロード直後に6500XT・6400の新情報が出現したので追記、ついでにラインナップ表の「性能から見た適正価格」を見直し(一部、MSRPを下回っているものもあるが、それはMSRP自体がそもそもおかしいということである)
デスクトップ向け:
Navi 21 |
XTXH |
RX 6900 XT [水冷/LC] |
80 |
256-bit |
128 MB |
16 GB |
330 W |
$ ???? |
13.0万~ 円 |
RTX 3090 |
XTX |
RX 6900 XT [空冷] |
300 W |
$ 1000 |
12.0万~14.0万 円 |
XT |
RX 6800 XT |
72 |
256-bit |
128 MB |
16 GB |
300 W |
$ 650 |
8.0万~9.5万 円 |
RTX 3080 |
XL |
RX 6800 |
60 |
256-bit |
128 MB |
16 GB |
250 W |
$ 580 |
7.2万~8.5万 円 |
RTX 3070 |
Navi 22 |
XT |
RX 6700 XT |
40 |
192-bit |
96 MB |
12 GB |
230 W |
$ 480 |
5.0万~6.0万 円 |
RTX 3060 Ti |
XTLH? |
200 W? |
Navi 23 |
XT |
RX 6600 XT |
32 |
128-bit |
32 MB |
8 GB |
160 W |
$ 380 |
3.5万~4.5万 円 |
RTX 3060 |
XL |
RX 6600 |
28 |
128-bit |
32 MB |
8 GB |
132 W |
$ 330 |
2.8万~3.8万 円 |
(本来なら)RTX 3050 Ti |
ここまで登場済 |
Navi 24 |
XT |
RX 6500 XT |
16 |
64-bit |
16 MB |
4 GB |
90~100 W |
$ 200~250 |
2.0万~3.0万 円 |
RTX 3050 |
XL |
RX 6400 |
12 |
64-bit |
16 MB |
4 GB |
60~75 W |
$ 100~200 |
1.0万~2.0万 円 |
RT 3030? |
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ |
Navi 22 |
XL |
RX 6700 |
開発中止の可能性が非常に高い |
ノートPC向け:
Navi 22 |
XTM |
RX 6800M |
40 |
192-bit |
96 MB |
12 GB |
145 W以上 |
RTX 3080(ノートPC用) |
XLM? |
RX 6700M |
36 |
160-bit |
80 MB |
10 GB |
80~135 W |
RTX 3070(ノートPC用) |
Navi 23 |
XLM? |
RX 6600M |
28 |
128-bit |
32 MB |
8 GB |
50~100 W |
RTX 3060(ノートPC用) |
ここまで登場済 |
Navi 24 |
XTM? |
RX 6500M |
16 |
64-bit |
16 MB |
4 GB |
? |
RTX 3050(Ti) |
XLM? |
RX 6300M |
8~12 |
64-bit |
16 MB |
4 GB |
? |
RT 3030? |
RX 6700 無印
新情報がもう出てこないので折りたたみ
3月下旬に、6700無印のパッケージ画像が(誤って)公開されて以来、6700無印に関する情報がストップしてしまっている。
5月になると、未発表Radeonのリーク情報は、6700無印に代わってRX6600(XT)を中心に出回るようになり、そしてとうとう、6700無印を差し置いて6600XTが先に登場してしまった。
これらの状況から察するに、6700無印は発売中止に追い込まれてしまったのだろう。
推測に推測を重ねるが、6700無印の発売中止の理由として、自分なりに考えた。
-
RX6000シリーズの開発当初は、6700無印をちゃんと作るつもりでいたのだが、昨今の半導体不足により、RDNA2の製造量が限られてしまった。
状況が状況なだけに、AMDはラインナップの計画を変更しなければならなくなり、「ノートPCの需要をないがしろにするわけにはいかない。デスクトップ向けとノート向けの両立ができるように、ラインナップを妥協するべき」という結論に至った。
その結果、6700無印の計画は中止となり、本来それに使う予定だったNavi 22のカットダウン版チップ(36CU)を6700Mに回した。
さらに、6月下旬には、AMDの公式ドライバ内にRX 6600 無印・XTの記述が見つかったと報じられたものの、逆に6700無印が全く写っていないことも、発売中止の疑惑に拍車をかけることになった。それにしては、公式発表済みの6700Mの記述もないのが変だが(6800M・6600Mはある)
VRAMの量について(クリックで展開)
ところで、上記のパッケージ画像にも写っているが、6700無印のVRAMは6GBになるらしい。しかし、6GBというのはちょっとおかしいのではないかと思う。
まず、競合のRTX3060無印が12GB積んでいて、しかもAMD自身が6700XTの発表時に「WQHDでは8GB以上ないと足りないぞ」とも宣伝している。
Navi 21を使用した、6900XT・6800XT・6800無印の3つは、どれも4Kターゲットだった。6700XTのすぐ下、6700無印がいきなりフルHDターゲット、というのは急すぎて考えにくい。WQHDターゲットは6700無印でも維持されるだろう。
そんな6700無印が、6GBまで落としたりしたら、前述の宣伝が嘘になりかねない。6700XTでは、OEMが勝手に6GBまで削ったりできないようにしていたたため、尚更である。
また、下記の6600はVRAMを8GB搭載するといわれており、そうなると搭載量の序列が崩れることになってしまう。[6700XT]12GB→[6700]6GB?→[6600XT]8GB
6GBモデルと12GBモデルの2モデル体制で売り出すという可能性もあるが(RX480や5500XTが4GB・8GBの2モデル体制だった)、とにかく6GBだけというのはやめていただきたい。
余談だが、6700Mのスペックが興味深いことになっている。
6800Mは6700XTのスペックを踏襲しているが、6700Mは同じNavi 22であるにもかかわらず、CU数だけでなくInfinity Cache・VRAMまで減らされている。(それぞれ80MB・10GB、おそらくバス幅も160-bitだろう)
ノート向けとはいえ、このような数字は過去のリークに現れておらず、ちょっと謎である。
開発中止でない場合の想定スペック
Navi 22 |
XL |
RX 6700 |
36 |
192-bit |
96 MB |
6or12 |
180 W |
$ 400 |
5.0万~6.0万 円 |
RTX 3060 |
結局、Navi 22を採用したデスクトップ向けグラボは、RX 6700 XT唯一つということになってしまった。Navi 22版Radeon PROも用意されていない。
RX 6600 無印
もともと6600無印は、同XTと同時に、8月11日に発売されると報じられていたが、その直後、無印の発売は9月以降に延期されるという、前述の内容を否定する噂が出現した。
その噂は本当になり、XTは7月30日に正式発表されたのに対し、無印についてはノータッチに終わってしまった。
そして10月13日、XTから遅れること約2ヶ月、ようやく6600無印がお披露目となり、翌日に販売開始となった。
MSRPは330ドルで確定した。元々300ドルになると報じられていたが、XT(350ドル→380ドル)同様に値上がりしてしまった。
やはり、200ドル台の手軽なRDNA2は、RX6500(XT)まで待たされることに変わりはない…
ところが、実売価格は最低でも4万円どころか5万円台に達し、高いものでは7万円を超えるものも。アメリカでも500~600ドルが当たり前になってしまっている。
とてもじゃないがフルHD向け製品としてはあまりに不釣り合いな値段のため、人気は高くない模様。
(330ドルというMSRP自体も、個人的にはバカげていると思うのだが・・・XTでもそうだったが、フルHDで300ドルを超えるのはモラルに欠ける)
また、AMDの公式ベンチマークでは、GeForce RTX 3060や2060と戦っており、3060に対して勝ったり負けたりしている。
この結果を見るに、AMDは本当はRTX3050Tiと戦いたかったのではないかと思われる。
だがNVIDIAがデスクトップ向けに3050Tiを解禁していないせいで、仕方なく3060と戦うハメになったのだろう。
なお、同じNavi 23のカットダウンチップを採用する製品としては、すでにRadeon Pro W6600が登場済みであり、スペックもだいぶ似通っている。
Navi 23 |
XL? |
Pro W6600 |
28 |
128-bit |
32 MB |
8 GB |
130 W |
? |
RX 6500 XT・RX 6400
これまでのリークや噂を振り返ると・・・
◇5月13日: AMDが未発表GPUチップ「Beige Goby」向けのLinux用ドライバーを公開、Locuza氏がその一部スペックをリーク
https://northwood.blog.fc2.com/blog-entry-10918.html
Locuza氏いわく「どうやらNavi 24のことらしい」とのこと。
- Infinity Cache 16MB
- 最大16CU, 1024sp
- (VideoCardzによる予想: バス幅64-bit)
※縦スクロールで閲覧可能
ディスプレイエンジンやエンコーダなどの機能がNavi 23よりも削られているという事実も明らかになった。
◇7月21日: coreteks氏がNavi 24の登場時期をリーク
https://northwood.blog.fc2.com/blog-entry-11005.html
内容:
- 6600無印は9月か10月 → 的中(10月14日販売開始)
- Navi24は年末
これが本当ならば、RDNA2の解禁から1年以上かかって、ローエンド製品が現れることになる。
これほど小規模なGPUは、2017年のPolaris 21(RX560)以来、4年ぶりとなる。AMDは、ハイエンドからローエンドまで、すべてをRDNA2で染め上げるつもりなのかもしれない。
規模からしてAPU向けではないかと考えたくもなるが、これでもdGPUとして作っている、というのだから驚きである。
dGPUということであればノートPC向けと考えられるが、もしデスクトップ向けにも出てくるとしたら、RX560・550以来となる、補助電源不要な製品になるだろう。
2021-11-23追記: デスクトップ版・モバイル版両方とも存在する模様。下記11月23日の情報を参照。
しかし残念なことに、TBP(消費電力)に関しては悪い噂が流れ始めている。
◇10月22日: YouTuberのMoore's Law Is Dead氏がNavi 24の消費電力について発言
https://www.youtube.com/watch?v=bCitvluqTlA
https://northwood.blog.fc2.com/blog-entry-11125.html
同氏は、Navi 24のTBPが最大で120Wに達すると伝えている。
Navi 24のようなGPU規模で通常想定されるのは、75W以下の低消費電力のはずだが、どういうわけかNavi 24は100Wを超えてしまっている。
こうなった理由としては、今後出るであろうRTX 3050 Tiや、Intel ARCに対して競争力をつけるためらしいが・・・
5000シリーズのときも、5500XTどころかそれよりも下の5300(OEM限定)ですら100W必要だった。AMDが補助電源なしグラボの開発に対してやたら消極的なのは、一体何なのか?
(はっきり言って、デマであってほしい。ローエンドの製品にそこまでの性能や競争力が必要とはとても思えない。)
2021-11-23追記: どうやらNavi 24の下位モデルが補助電源不要になる模様。
◇11月20日: 遠坂小町氏が未発表Radeonの製品名と、そのVRAM量をツイート
※縦スクロールで閲覧可能
ついに、ついに6600無印より下の製品名の情報が出現した。
情報源は明かされていないが、ツイートから得られる情報は以下の通り。
- 製品名は「RX 6500 XT」と「RX 6400」の2つ
- VRAMは4GB GDDR6
- 使われるGPUチップはNavi 24
◇11月23日: VideoCardzの読者投稿より、6500XTと6400の一部スペックが明らかに
https://videocardz.com/newz/amd-entry-level-rdna2-radeon-rx-6500xt-to-feature-1024-stream-processors-rx-6400-with-768
https://northwood.blog.fc2.com/blog-entry-11156.html
- RX 6500 XT
- Navi 24のフルスペックチップを搭載, 16CU, 1024SP
- 補助電源が必要, 容量400W以上の電源ユニットを推奨
- VRAM:4GB GDDR6, バス幅:64bit
- レイトレーシング対応, レイアクセラレータ16基
- RX 6400
- Navi 24のカットダウンチップを搭載, 12CU, 768SP
- 補助電源が不要
- VRAM:4GB GDDR6, バス幅:64bit
- レイトレーシング対応, レイアクセラレータ12基
さらに、この2モデルは2022年第1四半期に発売されることや、6500XTが先に出てくることも示されている。
なお、同日には最新版ドライバー内に「RX 6500 XT」「RX 6400」の他、「RX 6500M」「RX 6300M」「PRO W6500M」「PRO W6300M」の記述も見つかっている。
以上の情報をまとめると、今のところ推測されるラインナップはこんなところか。
Navi 24 |
XT |
RX 6500 XT |
16 |
64-bit |
16 MB |
4 GB |
90~100 W |
$ 200~250 |
2.0万~3.0万 円 |
RTX 3050 |
XL |
RX 6400 |
12 |
64-bit |
16 MB |
4 GB |
60~75 W |
$ 100~200 |
1.0万~2.0万 円 |
RT 3030? |
|
▼(参考)5000・500シリーズのラインナップ抜粋 |
Navi 14 |
XTX |
RX 5500 XT |
22 |
128-bit |
なし |
4or8 |
130 W |
$ 170(4GB版) |
- |
GTX 1660 |
XT |
RX 5500 ※ |
4 GB |
150 W |
[OEM専用] |
- |
? |
XL |
RX 5300 |
96-bit |
3 GB |
100 W |
[OEM専用] |
- |
GTX 1650 |
|
Polaris 21 |
XT |
RX 560 |
16 |
128-bit |
なし |
2or4 |
60~80 W |
$ 100 |
- |
GTX 1050 |
XL |
RX 560(D) |
14 |
Polaris 11 |
(Baffin LE) |
RX 550 |
10 |
128-bit |
なし |
2or4 |
60 W |
$ 80 |
- |
GT 1030 |
Polaris 12 |
(Lexa PRO) |
8 |
50 W |
※5500無印: OEM限定。とはいっても、8GBモデルが無いという点以外は、XTの定格と同じ仕様なのに、なぜかTBPが高い。
6500XTのTBPについてだが、Moore's Law Is Dead氏の120Wという主張だと、すぐ上の6600無印(132W)に近すぎることになってしまう。
そのためこの表では、「補助電源こそ必要だが100Wは超えない」と想像してみた。
ただ、価格が少し厄介だ。すぐ上の6600無印が330ドルだったせいで、6500XT・6400もそれに引っ張られるのではないかと思い、推測が難しくなっている。
こんなローエンドに200ドル台も払う人なんているのか・・・?
なお、前世代の5500XT(22CU)の後継であると考えると、CUが若干減ってしまうが、そこはRDNA2の演算効率の良さや、Infinity Cacheでまかなうのだろうか。